【かなめ日記】「原発事故被害者支援法」

掲載日:2012.06.21

事故から15か月も過ぎてしまいましたが、ようやく目指していた法律が一つ出来上がったという気持ちです。特に、昨年6月からの3か月間、福島に単身で駐在し、目に見えない放射能の不安に怯える方々、特に子供のいるご家族のお気持ちと向き合ってきた私にとって、今日の衆議院での可決・成立は感無量でありました。そして、この法律を根拠として、福島の方々をはじめ放射能による万が一の将来の健康被害を懸念する人々に対しては、国が相当の支援をすることになります。

確かに多くの専門家はチェルノブイリのような健康被害を想定はしていないようです。客観的な事故データでも、原子炉からの放射性物質の飛散量は、福島がチェルノブイリの8分の1程度とも言われています。想定される外部被ばくの差に加えて、チェルノブイリの場合には多くの子ども達が汚染された牛乳を摂取して内部被ばくをしたことも事実であります。ただ、私が本部長として赴任した初日に、浪江町の馬場町長が仰ったこと、即ち、情報が何も無い中で多くの住民を北西に避難させ、結果として最も空間線量の高いことが後日判明した津島地区に5日間も住民を避難滞在させてしまったこと、この言葉を私は忘れることができません。

福島の潜在的な健康被害については、今後やはり長い長い年月をかけて見定めなければ、安堵をすることはできません。そして多くの被ばくした方々がそのような思いであろうと推察します。今後も、引き続き定期的に福島の住民の方々とも意見交換をさせて頂きながら、このような深刻な事態が起きたときの政治家の一人として、この事故、被ばく、そして健康不安と向き合い、そして万が一にも健康被害の予兆が現れた場合にも、その被害を最小限に食い止められるような予防的措置をできる限り迅速に講じて行けるよう、努力をしてまいる所存であります。

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