幻想から目を覚まそう
掲載日:2021.07.15
過去30年間だけを見ても、その8割以上の期間、行政府を掌握してきた自民党政権ですから、どんなに恥ずかしい「政治とカネ」や隠蔽改ざん政治や世襲政治が果てしなく続こうとも、さすがに国民の命に関わる危機管理だけは上手にやってくれるだろうと信じていた国民も多かったと思います。しかし、コロナとの1年半の戦いは、その期待がまさに幻想であったことを明らかにしてくれました。政権与党としての長さと危機管理能力とは別物だったのです。
海外では地域によってはマスク無しの日常が戻り始めています。それなのに、肝心のオリンピックホスト国の日本がなぜそうならないのか?その理由はワクチン接種の遅れであります。そして遅れの大きな理由の一つは、国産ワクチンをつくれなかったことであります。10年前の新型インフルエンザの時の教訓を当時の民主党政権が報告書として取りまとめ、迅速な国産ワクチン開発体制の強化を提言していたにもかかわらず、その直後の政権交代以来、民主党政権の成果の多くを否定した安倍内閣のもとで、その提言も事実上の棚上げにされてしまいました。
実はコロナで露呈した日本の弱点は、あくまで氷山の一角です。真面目で従順な日本の国民には不釣り合いの国政権力の下で、この30年余りの間に日本は国力をじわじわと落とし、特に第二次安倍政権からのこの8年半余りでは、それが加速をしています。これから2050年に向かって日本が衰退途上国の道を転がり落ちるのか、それとも幻想から目を覚まして、流れを大きく変えていけるのか、すべては有権者一人ひとりの覚悟次第なのです。
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