【現地本部長日記】「子どもたちをどうする?」
掲載日:2011.08.09
今朝の毎日新聞一面トップに、震災後に福島県の小中学生の一割に当たる1万4千人以上が転校した、という報道がありました。もちろん原因は放射能汚染・不安です。もちろん区域指定されたために転校を余儀なくされている方も多いですが、いわゆる中通り地方の自主避難も増えています。彼らは県内以上に県外へ転出しています。ピークは学期の区切りに合わせてやってきているようで、まずは事故から一月以内に当たった四月、一学期の頭、そして二回目のピークは夏休みです。私が訪ねた市立小学校でも夏休みと同時にまた二割、低学年を中心に減りました。
事態を打開する積極的な施策が必要だと思います。チェルノブイリの時には、事故からひと月以内に、20万人以上の子供たち全員を避難させ、新学期の開始に合わせて3ヵ月後に戻しています。わが国政府は4月の新学期の始まる時点で、そのような判断を下しませんでした(議論はあったようですが、私個人としては実現されず残念です)。しかし、昨今、放射能不安の問題は収まるどころか、市民・県民の放射能に関する知識の深まりに合わせて、一層大きな問題になってきています。今NPOや文部科学省によって行われている夏休みや冬休みの対策だけに留めず、これからでもできること、二学期をどうする、三学期をどうする、そういう議論を具体化させたいと思います。被ばくの懸念はあくまで積算の値によります。最悪期は過ぎたとしても、これからでも、わずか数ヶ月でも子どもたちが被ばくの虞のない地域で暮らせるのであれば、長い目で見れば大きな違いです。そして、願わくば、それを毎年続けていければと思います。
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