【かなめ日記】丁寧な説明をプロセスの透明化を(指定廃棄物問題を追う その1)

掲載日:2015.05.08

去る4月17日、県内の約3600トンにも上るいわゆる放射性物質を含む廃棄物(「指定廃棄物」)を、千葉市中央区蘇我町にある埋め立ての東京電力の敷地内に処分場を建設して持ち込むというニュースが流れ、住民や関係者に衝撃が走りました。こうしたケースで最も気を付けなければならないのは、何よりも早め早めの丁寧な住民説明であり、現地行政機関等との信頼関係の醸成であるはずです。一体どういった経緯でこうしたセンシティブな情報が漏れたのかは現時点では分かりませんが、結果として国は出だしから大きな失敗をしたと言わざるを得ません。


環境省に問い合わせると、「(千葉県の候補地は)まだ決まっていない」の一点張り(4月21日時点)ですが、もし近い将来、報道されたような国からの提案が現実のものとなるとしたら、政府は地震とそれに伴う津波の恐ろしさをもう忘れてしまったのか、ということをまず問わねばなりません。3・11で千葉市に津波の影響は僅かだったかもしれませんが、「次は直下型地震だ」という悲壮な覚悟を持って、現場は防災・減災のために日々知恵を絞り、対策を講じて来ているのです。よりによってそうした懸念が最も強い沿岸部に高い安全性の求められる処分場を設けようとすることは、常識的には考えにくい選択肢のはずです。


まずは4月24日の衆議院環境委員会において本件を取り上げ、その後も引き続き情報収集を行ってまいります(委員会の質疑の様子のビデオはこちら)。千葉県に先行して行政・議会・地域住民などが挙げて同じ問題に関する反対運動を繰り広げている栃木県の状況を見るにつけ、改めて原発事故のもたらす際限無き不幸には遣り切れなさを覚えます。除染も事故廃炉も汚染水もそして賠償問題も、国民や環境を著しく疲弊させます。今を生きる私たちが、子や孫の世代にこれ以上の迷惑を掛けないためにも、1日も早く原発の無い日本と世界を実現して行かねばなりません。

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