【現地本部長日記】「毎時10シーベルト超」

掲載日:2011.08.01

毎日、午後6時から東京電力福島第一のサイト、東電本社、福島第二サイト、東電柏崎刈羽原発などを結んでテレビ会議を開催しています。昨日の会議で、この「毎時10シーベルト超」の報告が東電からありました。具体的には、ガレキ撤去後の線量確認作業中、1号機と2号機の排気筒の底部にある非常用ガス処理系配管接合部で、高線量の線源が確認されました。

今朝の朝刊一面トップで、その「毎時10シーベルト超」が過去最大の空間線量であることを、私も初めて知り驚きました。そのため、今朝、私が個別に東電に説明を求め、その時に、その線量(毎時10シーベルト=毎時1万ミリシーベルト)は配管接合部に近づけたときの測定値だが、そこから2メートル離れるだけで毎時70ミリシーベルトまで下がること(つまり、「線源」が小さいと考えられること)、さらに、格納容器内部の線量は毎時10から50シーベルト(5万ミリシーベルト)であること、を確認しました。

今朝、私が東電に苦言を申し上げたのは、こうした悪いニュースは毎日の報告の中でもっと強調して詳しく説明して欲しい、ということです。昨日のテレビ会議で確かにこの「毎時10シーベルト超」という話は出されていましたが、それが今朝の新聞が一面トップで取り上げられた「過去最大」であることは、昨日は報告がありませんでした。その「過去最大」が、格納容器内部の線量に比べてどうなのか、も分かりませんでした。さらに、計測器の測定限界値が10シーベルトであっただけで、本当の線量に関しては10シーベルト「超」の一体いくらなのかは、現時点では分かっておらず、後日報告を受けることになっています。

いずれにせよ、政府・東電は国民に対して「ステップ1が終了し、事故は収束に向かって順調に対策が取られている」「線量も安定的に下がってきている」と説明をしてきているわけですから、突然「過去最大」などと報道されると、また「聞いていた話しと違う」と多くの国民が感じてしまいかねません。何か新しい問題がまた起きたのではなく、これまで近寄れなかったガレキ現場で、見つかっていなかった線源が新たに確認されたに過ぎないのであるにせよ、調べれば「過去最大」であることが容易に確認できる立場の東電から、より国民の立場に立った正確かつ親切な情報公開が行われるべきです。これまでも何度も事あるごとに強調してきている点であり、さらなる改善を求めていきます。

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