【現地本部長日記】「日本で最も美しい村」

掲載日:2011.08.11

【現地本部長日記】「日本で最も美しい村」

3月11日からちょうど五ヶ月目となる今日、計画的避難区域の飯舘村に入りました。4月21日に全村が計画的避難区域に指定され、村民のほぼ100%に当たる6,168人が現在も避難をしています。この村には現在、原則、誰も住んではいけないことになっているのですが、唯一の例外として老人ホームの「いいたてホーム」があります。そこでは57歳から107歳までの108人の要介護者が暮らし、47人の介護員を含む84人が通勤して働いています。

その老人ホームには例外的に住んでもよいという判断は、介護の必要なご高齢者に環境の違うところに移り住んで頂くリスクと、そこに留まるリスクとを比較検討した結果、国と村とが協議して下したものです。もちろんそれだけでは介護の必要な方々が住めることにはならず、そこで働く人の安全も担保できることがもう一方で肝要です。今日、実際に確認させて頂いたところ、その老人ホームでは平均一日に9から10時間働き、そこで受ける被ばく線量は約2マイクロシーベルト。職員は皆、村の外から車通勤をされていますから、年間の被ばく線量は健康上影響のないレベルと判断されています(私が福島市で一日に約3マイクロシーベルト)。ただし、外の線量は毎時3とか4マイクロシーベルトありますから、鉄筋などのしっかりとした建造物の中で働くことが必須といえます。

安全に働ける線量レベルとは言え、これはあくまで例外的な措置です(この老人ホームの他に8社、民間企業が操業を続けており、社員が村の外からやはり車通勤をしています)。また、ふるさとを自分たちの手で見守ろうと、「いいたて全村見守り隊」が結成され、全住民の7%ほどの住民が交代して毎日、全村を巡回に入っています。

こうした、飯舘村を愛する村民の皆さんや雇用を守る経営者、頑張る従業員の皆さんのご努力に応えるためにも、国が今後ともしっかり支えて行かねばと思いを新たにいたしました。なお、フランスの活動に倣った「日本で最も美しい村」連合(36町村3地域)という活動があり、この美しい飯舘村は2010年9月にこの連合にも加わっています。

【現地本部長日記】「日本で最も美しい村」
【現地本部長日記】「日本で最も美しい村」

関連記事

記事はありません