【かなめ日記】「労使折半」

掲載日:2012.03.03

経済産業分野と社会保障分野にまたがる政策テーマとしては、この「労使折半」という考え方・制度がこの両者をじつに難しい関係に置いています。通常、「社会保障と税の一体改革」という時の「税」とは負担の話、財源の話であり、他方「社会保障」というのはその財源をもとにした「給付」の話として理解され、だからこそ、負担と給付を一体的に改革するという話になります。ところが、その社会保障の中にも実は負担の話が入っていて、かつそれが給付を受ける本人の自己負担以外に、事業者負担というのがあります。つまり、事業者の目から見ると、税も負担の話、社会保障も負担の話、とんでもない!となるのです。

一方、非正規雇用の方々が社会保障という観点から不安定な立場に置かれていることも事実です。格差が広がる我が国において、非正規雇用が増え続ける我が国において、現役世代、若い世代に対する社会保障は今後最も充実させていかねばならない部分であることは間違いがありません。

めざすべき社会の在り方を見据えながら、目先の厳しい経済情勢の中で、事業者の苦しみと働く者の不安解消と、どう折り合いを付けていくか。今週、議論のヤマ場を迎えます。

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