【かなめ日記】「市原刑務所」

掲載日:2013.08.07

千葉県市原市にある市原刑務所を視察しました。ここは交通刑務所です。交通刑務所というのは交通犯罪受刑者を収容する刑務所で、全国に二つだけ。加古川とここです。所長さんの説明によれば、いわゆる普通の刑務所との違いは三つ。即ち、周囲の住宅街との境界に巨大な塀が無いこと、部屋に脱走防止用の鉄格子が無いこと、そして服役者が刑務官に付き添われることなく所内を自由に動けること、だそうです。確かにこうした違いもあって、市原刑務所内の空気は、先日視察した栃木の刑務所とは違い、余り緊張感も重苦しさもありませんでした。

確かにこうした違いは理解ができます。運転を誤って人を跳ねて死なせてしまったのと、ナイフを持ち出して人を刺し殺したのとは、同じではないからです。ただ同時に、どちらでも人の命が奪われていること、それによる遺族感情に差は無いこと、も間違いありません。市原刑務所からは平均刑期二年一月を終えて受刑者は出所しますが、その二人に一人は人の命を奪ってしまっているのです。

受刑者の人権や更生と被害者ご遺族の人権、遺族感情との双方の両立は確かに難しい問題ですが、市原刑務所の受刑者が真新しいユースホステルか研修所並みの環境で、いわば伸び伸びと、受刑者同士が時折白い歯も見せて雑談しながら出所の日を待っている風景には、少なからず違和感を覚えたのも事実です。この市原刑務所に被害者ご遺族が視察に見えたのは、過去一度だけだそうです。

今回の刑務所視察には私から参加者を募り、地方議員や一般市民の方々も参加しました。受けた印象としては、刑務所視察は国会見学と同じくらいに一般市民の関心が強い、ということです。どちらの施設も私たちの社会に必要だけれども全く身近で無いもの、という共通点があります。そこは非日常なのです。そして、特に刑務所視察には犯罪抑止効果も期待できるのではないかと感じました。そんな感想を法務省の幹部に伝えたところ、開かれた刑務所を目指して協力したい、とのこと。

私は谷垣法務大臣に高齢者の免許更新の頻度を年一回に引き上げるべしとの提案をしていますが、例えば70歳になったドライバーは一度交通刑務所を視察することにしてはどうでしょうか?皆様、ご意見お寄せください。

≪ご意見はこちらから≫

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