【かなめ日記】「犯罪被害者支援改正法の衆院可決を振り返って」

掲載日:2013.04.30

この10年間、国政で汗をかく中で、時折目にする凶悪犯罪にはいつも心を痛めてまいりました。特に、子どもを狙った性犯罪、山口県の光町や奈良県、そして千葉県でも、許せないという思いで体が震えます。犯罪被害者は、他のどんな方々にも劣後させることなく、国がしっかりと支えて行かねばならないと、政治に身を置く者として痛感します。 にも関わらず、司法・行政の実態は残念です。三面構造というのですが、司法の主役は、対峙する検察と被告・弁護人、そして真ん中にいる裁判官。その中で、犯罪被害者や遺族は蚊帳の外なのです。この構造は本質的に今でも変わりません。「なぜ犯罪を犯した悪い奴らの人権ばかりが強調されるんだ?」そんな疑問もよく有権者の方々から呈されます。 今回の改正も、そうした歴史的背景を踏まえ、犯罪被害者の置かれた現状を少しでも改善しようとするものとして、一定の評価はできるわけですが、しかし、改善が余りに遅く、また小出しの改善であるという点で、国の関心は必ずしも高くはありません。私の質問で、「犯罪被害者週間」をいうものの存在すら、谷垣法務大臣がご存知無かったことが、関心の低さを物語っています。 犯罪被害者が被害者参加制度を利用して公判期日に出廷する場合の交通費を二週間後に支払う、という内容の今回の支援策強化法は、「もっと質量ともに充実した支援をして差し上げられないのか?」という思いが残ります。犯罪が人間社会からどうしても無くならない、そして、だれでもある日突然、犯罪に巻き込まれる可能性がある、その確率はすべての人に同じである、と考えると、運悪く被害者になってしまった方には、国が総力を挙げて万全のサポートをしてしかるべきだと強く思います。衆議院では今回、付帯決議には時間が間に合いませんでしたが、参議院で付帯決議を付けてもらえるよう、現在準備中です。

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