【かなめ日記】「山中教授のノーベル賞」

掲載日:2012.10.12

二年前の経産省の政務官時代、京都に出張した折に、面識の無かった山中教授と夜の京都で二人で飲んだことがありました。たまたま、私の姉も、姉の旦那も京大卒で山中さんの4期先輩に当たり、私も高校3年の一学期までは京大医学部を目指しており(もともと理系志望でした)、しかも姉の旦那に風貌がそっくりな山中さんには、初対面とは思えない親近感を持ちました。意外なことに、医学の分野で彼は決してメーンストリームにはおらず、むしろ傍流を歩いていたというお話を、大変興味深く聴かせて頂きました。天才にもノーベル賞にも、こういうことが時々あるような気がします。才能の開花のかたちは様々です。

その後、勉強会などで何度かご一緒する機会を得ましたが、今回、満を持してのノーベル医学生理学賞の受賞。快挙です。そして日本の誇りであり、日本復活の狼煙が上がったような感動です。しかし、こんな稀有の研究者であっても研究費のねん出にはいつもご苦労され、また国に対する苦言や助言を頂いたこともありました。山中教授がまたマラソンでその苦境を訴える必要が無いように、経済産業省はじめ、国も精一杯この優れた研究者を後押しし、日本再生、ライフイノベーションの分野の旗頭として大きく世界に羽ばたいてもらいたいと思います。

尚、山中教授から聞いて初めて知ったのですが、彼の京大時代のポストの前任者が、実は私の高校時代の同級生、勉強の良きライバル、コーラス部の仲間で、現在は理化学研究所の笹井芳樹教授です。彼も世界的な研究成果を上げています。同窓生一同が笹井君のノーベル賞も期待しています。ぜひ、頑張って欲しいと思います。

関連記事

記事はありません