【現地本部長日記】「夏休み」

掲載日:2011.07.20

夏休みの季節が始まりました。この4ヶ月間、ストレスと不安の多い日常を送ることを余儀なくされた福島の子どもたちを、この期間どこでどう過ごさせるかは、福島県民にとって極めて重大な課題です。多くのNPOや行政が様々なプログラムを用意し、子どもたちが県内外において、放射線量を気にすることのない伸び伸びとした夏の時間を持ってもらえるように頑張っています。

私もそうした活動に取り組むNPOなどに助言などを行ってきましたが、どこも財政的な制約で受け入れ可能な子どもたちの数は当然に限界があります。つまり、早い者勝ちになっています。期間も多くが3泊4日などと短いものです。また、多くのプログラムが小学生以上を対象としており、未就学児をどうするかという課題への取り組みは遅れています。さらには、たとえばシングルマザーのご家庭や障がい児のいるご家庭では、事実上そうしたプログラムは利用できないのではないかと危惧しています。

第一弾として、この夏を福島のご家庭の多くが不安の日々を送っている現状を受け、多くのNPOなどのこうした支援の輪の広がりは大変歓迎すべきことです。これからの課題は、こうした取り組みの量的拡大と持続性、それを支える財政の問題、さらには取り残されてしまう虞のある様々なご家庭の個別事情を斟酌したきめの細かい施策・プログラムの提供、ということだと思っています。

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