【かなめ日記】「政治家の資質」
掲載日:2014.07.07
世界的ニュースになった兵庫県議の泣きわめき記者会見で一番得をしたのは、実はあのセクハラ発言の自民党都議や、同じく都議出身の自民党衆議院議員だろう。そして、それらセクハラ発言が発覚したときにも、一番ホッと胸を撫で下ろしていたのは、あの「最後は金目でしょ」発言の御仁であろう。枚挙にいとまが無いが、少し前には、改憲は「ナチスの手口に学べ」というのもあった。
こんな「事件」が起きるたびに、よく耳にするのが「資質に欠ける」という表現。しかし、サラリーマンから身を転じて11年間、衆議院議員をやらせて頂いている私の感覚では、まさに他の職業とは違って政治家だからこそ、こうしたことがかなりの確率で起こってしまうのだ。理由は簡単、政治家は選挙のみで選ばれるからである。もちろん、選挙による選出は民主主義の基本であるし、有権者の総意が反映されるという点では他のいかなる手法よりも優れている。しかしその分、能力テストも無ければ、社会常識テストも無い。どうしても、間違って政治家になってしまうケースがあるのだ。地盤を親から譲り受ける「世襲議員」では、当選確率が高い分そのリスクは更に高まる。
では、選挙で選ばれる政治家の資質を高めるにはどうしたらいいのか? 理想を言えば、組織で苦労した経験のある普通のサラリーマンから身を転じる方が増えて頂けたら、それだけで政治、特に地方政治は劇的にレベルアップする。だが、政治家のこういう酷いケースを見せ付けられると、リスクを取ってそんなトンデモナイ世界に飛び込む勇気も情熱も沸かないのもうなずける。次善の策として、やはり優れた、あるいは最低でも「まともな」、政治家を選ぶ「目」を有権者が持つことである。
折しも来年春には統一自治体選挙がある。「災い転じて福となす。」一連の酷い政治家の資質を見せ付けられたお陰で、今まで以上に冷徹な「目」で、有権者の皆様が厳しく政治家を品定めして頂けることを期待したい。「優れた政治家は有権者が育てる。」そして、利権・金権などは今さら論外だが、それだけでなく、一生懸命に努力しない人間、誠実に責任を果たそうとしない人間を絶対に政治家にしてはいけないのだ。政治家の言葉にはそれが正直に表れる。
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