【現地本部長日記】「ホールボディーカウンター」

掲載日:2011.06.03

内部被曝を測定するこの機械は、NaIという機種であれば測定時間が一人2分程度。前後作業も加えて一人の検査に5分を要するとしても、一時間に10人程度、一日に少なくとも50人を測定することができます。現在、このNaI機種は、東北4県に8台あります(福島県の半径20キロ圏内にある2台を除く)。東京電力などの作業員の被曝測定は現在行われていますが、これらの既存の機械を総動員して、一般住民の測定も早急に開始すべきです。

一方、平成17年国勢調査データによれば、半径20キロ圏内に当時暮らしていた0歳から15歳までの子供たちは約1万2千人。一日に8台で400人を測定できれば、一ヶ月でそれらの全ての子供たちの測定を完了することが可能です。

また、このNaI機種を今も製造しているアレバ社系の米国キャンベラ社は、今月2台、来月3台の納品をすることが可能のようです(5台の調達コストは2億円以下)。必要なら国がすぐにでも購入すべきです。

ちなみに、一般市民の測定に適したホールボディーカウンターは、全国の自治体に34台、また全国の電力会社や放医研や日本原子力研究開発機構(JAEA)に全41台あります。福島県からは全国に避難されている方がおいでですので、現実にはそれぞれの方の現在のご住所に応じて、それら全国の機械を活用すれば、より現実的な対応ができるはずです。

以上の通り、福島県民の被曝に対する不安を一刻も早く、できる限り取り除くために今すべき重要なことは、まず子供たちから、まず半径20キロ圏内からだと考えますが、他方で福島県が現在、東京の原子力対策本部の生活者支援チームの協力も得ながら、大掛かりな「県民健康管理調査」を準備中でもありますので、それとの整合性を図って参りたいと思います。とにかくスピードが命だと肝に銘じております。

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