【現地本部長日記】「放医研(ほういけん)」
掲載日:2011.07.03
正式名称は放射線医学総合研究所。私たち家族5人が暮らす(といっても、今は私は福島に単身赴任ですが)千葉市稲毛区、自宅から歩いて数分のところにある、文部科学省関連の独立行政法人です。最先端の医療技術である重粒子線の研究が盛んということで、かつて私も見学をさせて頂きました。
今、福島県には多くの専門の方々がこの放医研から応援に入って頂いております。私が本部長として詰めているオフサイトセンター(政府現地対策本部)にも数名おいでですし、先日、20キロ圏の警戒区域内に私も立入った際、その境界のところの「スクリーニングポイント」でも放医研の職員がご活躍でした。また地域住民などへの放射線に関する学習会・説明会でもご活躍と聞いております。
私自身、福島県のことをほとんど何も知らなかった千葉県選出の国会議員として、福島県に常駐するような任務を想像したことはありませんでしたが、ここ放医研の職員の皆さんも、同じようにまさか福島県でこれほど力を求められる事態が日本に起こるとは想定をされていなかったと思います。
本日、その放医研を、今回はホールボディーカウンターの関係で改めて視察しました。先週始まった浪江町などの方々の健康診断、内部被曝測定が、今日は日曜日ということで、一番私が気になっている子供たちの測定が行なわれる日ということで、それに合わせて視察をし、その後、浪江町から長いバス旅でお越しになった親子連れの方々に御挨拶をしました。
ある程度のことは想定をしていたものの、親御さん方のやり場の無い怒りと苦しみは、改めて想像以上だということを感じさせていただく、貴重な経験となりました。恐らく、本部長という立場の人間が顔を見せたのは初めてだったのでしょう。多くの質問とともにお叱りを頂きました。本当に、何の非も無いのに、ある日突然、避難を余儀なくされ、また被曝をし、ただただ政府の人間としても申し訳なく、ご苦労・ご苦悩は察するに余りあります。ホールボディーカウンターで子どもたちの測定がようやく始まったことも、それはまだまだその苦しみを癒すには程遠いものだと痛感をいたしました。
貴重な具体的ご指摘は、早速、業務に反映すべく取り組んでまいります。先ほど、今日の出来事を浪江町の馬場町長にもお伝えし、町長とも連携を強めて、福島県民の安心が少しでも高まりますよう、引き続き努力してまいります。
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